良性発作性頭位めまい症(BPPV)経験者で、健康情報収集家の村人Aです。
2014年、発症当初原因・対処法もわからず、精神的・肉体的にピンチだった時期もありました。めまいが起きているときはこの世の終わりのような感覚に襲われ、めまいが収まった後もなんとも言えない居心地の悪さ、不安感があり、またいつ起きるかわからないため、生きた心地がしないんですよね。スマホのスクロールでさえ、辛く感じました。しかし、対処・予防法がわかってからは完治する症状になりました。その後は再発が何度かありましたが、発症時は布団の上で治まるまで体操をすれば日常生活は可能でした。体操を続けるのはしんどいですが安定する態勢もあり、2週間ぐらい生活に気を付ければ治せるものになっています。ここからは私の体験を踏まえて、時系列で対処法等を記載していきます。
Ⅰ めまい専門医で診断してもらう
まず、専門の医療機関を受診し、診断してもらうことが一番大事です。一番危険なのが脳梗塞等のため、私の場合はまず脳外科に行き、異常なしでした。その後、一般の耳鼻科に行きましたが、めまい専門でないために原因はわかりませんでした。良性発作性頭位めまい症発症2度目以降は下記で医療機関を探しました。
めまい相談医一覧 | 日本めまい平衡医学会 (memai.jp)
私が当時調べた限りですが、めまいがしたら一定の姿勢(頭位)で安定させて1分以内に治まれば良性発作性頭位めまい症を疑えば良いという認識でした。横になっている場合、左右どちらかの耳を下にして、めまいがしない場合、上になっている耳が患側と言われています。※
Ⅱ 良性発作性頭位めまい症と診断されたら
剥がれた耳石のカスが内耳の三半規管内で浮遊することで激しいめまいを誘発する。多くは1分以内ぐらいで治まるとされています。※
精神力回復のため、横になり安定する姿勢を取ることは必要ですが、ただ横になり安静にしているのは逆効果です。医師の指導の下、下記のような体操をしてみるといいと思います。私の場合は対処法がわかってからはめまいがしても、休みながら根気強く体操を続けることで症状は落ち着き、日常生活を過ごしていました。
1.発症~2週間程度:やること・気を付けたこと
(1)体操(朝・夜)
必須ではありませんが、強く掴まれる設備があるところでできると心強いと思います。
・寝返り運動<> ※参考文献も参考にしてください。
①横になり、天井を見る姿勢になる
②右に寝返りを打ち、30秒ほど安定させる。めまいがしたら、治まるまでそのままにする。
③天井を見る姿勢に戻し、30秒ほど安定させる。めまいがしたら、治まるまでそのままにする。
④左に寝返りを打ち、30秒ほど安定させる。めまいがしたら、治まるまでそのままにする。
⑤天井を見る姿勢に戻し、30秒ほど安定させる。めまいがしたら、治まるまでそのままにする。その
後、②へ戻り繰り返し。
・寝起き運動<>
①床に座る。
②そのまま、体を後ろへ倒し、寝る姿勢になり、30秒ほど安定させる。めまいがしたら、治まるまで
そのままにする。
③まっすぐに起き、①の姿勢に戻る。30秒ほど安定させる。めまいがしたら、治まるまでそのままに
する。その後、②から繰り返し。
・レンパート法(外側半(水平)規管型)
寝返り運動で対応する部位と同じ。私は実施していませんが、症状を起こしている左右の耳がわかっ
た上で、医師の指導を受けて行えば非常に有効なのではないかと思います。
・エプリー法(後半規管型)
寝起き運動で対応する部位と同じ。私は実施していませんが、症状を起こしている左右の耳がわかった
上で、医師の指導を受けて行えば非常に有効なのではないかと思います。
・ブラントダロフ法(後半規管型)
私はあまり実施していません。耳石の位置によっては有効な体操だと思います。
※良性発作性頭位めまい症には水平規管型、後半規管型、前半規管型と種類があるので、それぞれにあった対処を医師の指導を受けて、実施しましょう。
朝の体操時は正直しんどいですが、根気強く続ければ自宅でも治せました。安定する寝姿勢もあるはずなので頑張ってみる価値はあると思います。
(2)厚みのある枕にする・上半身45度ぐらい起こして寝る(頭を高くして寝る)
細かい話は他に譲りますが、枕を高くするなどして耳石の三半規管内への流入を防ぐなどと言われています。※
(3)塩分を取りすぎない・冷たい水分は取らない等規則正しい食生活
塩分を取りすぎると体内に水分を余計にため込んで、むくみます。水分過多は体を冷やすことにつながります。鍼灸治療院で「身体はつながっていて、胃が冷えると重くなり、繋がっている耳のあたりが引っ張られ耳石が剝がれやすくなる」という話をされたことがあります。そのため、塩分取りすぎは控えるように心がけました。発症してしばらくは経験上、規則正しい食生活からはみ出ると、体調が悪くなった記憶があります。少なくとも2週間ほどは規則正しい食生活をお勧めします
(4)体を冷やさない(感覚としては背中)
経験上、発症は寝ていて身体が冷えてしまった朝などでした。上記食生活は大事ですが、寝るときの敷布団などの下敷きは非常に大事だと思います。その上で、掛布団などで身体が冷えないようにする。腹巻きも背中を守り、内臓を冷やさないことに有効かもしれません。
(5)首・肩の凝りに注意する
前述のとおり、胃と耳のあたりが繋がっていることから、途中にある首・肩が凝っている場合は要注意と思われます。その場合は、温かいものを飲むなどして対応できるかもしれません。
2.発症から3週間目以降:やること・気を付けたこと
基本的には上記を習慣化する方がいいと思います。
ただ、私の場合、体操は朝だけ(やらない日もある)。夏場には冷たい水分を取る。食べ過ぎる。など発症後日付がかなり経っていれば大丈夫であったりはしました。
発症後、概ね1か月後何もなければ完治と私は考えました。正直、発症後はつらくて不安感でいっぱいで二度と元の生活に戻れないのではないかと思ってしまうかもしれません。でも、大丈夫。元の平凡な日常はちゃんと戻りました。
Ⅲ 良性発作性頭位めまい症の私的対処法・予防法まとめ
Ⅰ めまい専門医で診断してもらう
めまい相談医一覧 | 日本めまい平衡医学会 (memai.jp)
Ⅱ 良性発作性頭位めまい症と診断されたら
1.寝起き運動・寝返り運動等を朝夜行う
2.厚みのある枕にする等(頭を高くして寝る)
3.塩分を取りすぎない・冷たい水分は取らない等規則正しい食生活
4.体を冷やさない(感覚としては背中)
5.首・肩の凝りに注意する
あとがき
私の場合、首が少し左側に寄っている影響なのか、右側が患側のようです。なので、横になって左耳を下にすると安定するようです。
漢方は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)を服用して、簡単に言うと体内の「余分」な水分を排出するように努めました(水毒体質の改善)。仕組みとしては、余分な水分を排出して、胃が冷える原因を取り除くことで、体内で繋がっている耳までの緊張を和らげることで、耳石が剥がれることを防いで、根治に繋げるということなのかと私は解釈しています。
経験上、冬場や暖かかった日から少し冷える日に起こりやすく、冬場に暖房をつけっぱなしにするようにしてからは2年以上、発症していません。また、塩気を取りすぎたと思ったときはサラダや野菜ジュースを飲んで、意識的にカリウム(塩分排出効果)を摂取するようにしていました。
ふと、マクロビオティックも関係しているのだろうかと思いました。私はマクロビオティックに関してはまだまだ初心者ですが、過去の発症前日には食塩(人口塩?)入りの冷えたトマトジュースを飲んでいたことがありました。トマトは陰陽の分類で陰なので体を冷やす方向に作用することになります。今まで意識していませんでしたが、「陽」・「中庸」の食品(根菜類、黒焼き玄米茶など)中心の食生活にして、体を温めるとより効果的かもしれません。
通常の良性発作性頭位めまい症は体操をして、めまいが起きる毎に回復に近づいています。いつまでもめまいは続きません。根気強く・粘り強く体操等をしていけば完全な日常はやってきます。意外と良性発作性頭位めまい症を患う人は多いようで、ポピュラーです。苦しいのはあなた一人ではありません。自分に合った対処法でその苦しい時期を乗り越え、共に克服し、平凡な日常を取り戻しましょう。
参考文献
- 五島史行(2013)『自宅で治せるめまいリハビリ』金原出版株式会社.
- 新井基洋(2012)『めまいは寝てては治らない【第3版】』中外医学社.
- 根本幸夫(2008)『優しくわかる東洋医学』株式会社かんき出版.
- 若杉友子(2012)『子宮を温める健康法』WAVE出版.
- 東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科「良性発作性頭位めまい症に対する非特異的運動療法について 」,2頁.
- 上海中医薬大学附属日本校校長 矢尾 重雄「つらい冷え症… 冷えをやわらげる漢方と養生法」(クラシエHP)
参考になる書籍・商品リンク
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